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地縛霊は孕ませたい!?

第8章 約束


ねぇ、偶然かな。
蓮が全部思い出した翌日にこの公園に来たのは。



蓮が、言ってた。


『昨日も今日も、行ったんだ。病院の屋上。そしたら今日、真白がベビーカー押してこの公園入るのが見えた』




薫がね、ご機嫌だったから。
公園で遊びたそうにしてたから。
だから来たんだよ。
ここに来なかったら知らなかった。
思い出せなかった。
大事なこと。
大切なもの。


蓮と、会えなかった。




ねぇ。
偶然、だと思う?





「なんか一気にいろいろ思い出したから、頭痛いかも」
「座って真白。薫ちゃんだっこ変わるよ?」
「重いよ?」
「平気、ってか、抱きたい」

真剣に、薫を腕にだっこする蓮に自然と笑みが溢れた。


「『薫』、名前付けたんだね」
「あ」


あたし、そうだ。


「ごめん……」
「ううん、そうじゃなくて」
「?」
「いい名前だなって」




ねぇ、たぶん偶然じゃないと思う。
運命なんて運任せにするつもりもないけど。
でもやっぱり。
小さな薫が引き合わせてくれたのかな、って。
思うだけなら、いいかな。





「ねぇ、あたしちゃんと消えたりしなかったけど、薫も生きてるの」
「うん、見ればわかる」
「なんでかな?」
「…………はじめから命、必要なかったとか?」
「えっ」
「俺も、意外と簡単に戻れたし。意識とか思いとか、そんな感じ?」


「…………」


「俺も良くしんねーし。いいじゃん、今こーしてんだから」


「お気楽。あたしなんのために散々犯されたわけ」
「このため、でしょ?」

「………」


悪びれもなく薫に視線をうつす蓮に、さすがに唖然。



「………ま、いっかぁ」


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