【NARUTO】0.01の世界で【カカシ(六代目火影)】
第1章 first
肩や背中にかかる長い髪にカカシの長い指が触れる。
「この髪も伸びたね。…まだ伸ばしていたいのか?」
『…伸ばしているのは、六代目が結った方が似合うと仰ったからです』
彼女の長い髪は、大きな眼鏡を隠す為のもの。
それを結うよう言ったのは紛れもなく目の前のカカシだった。
「隠すなんて勿体ないでしょ。 眼鏡をしてても、は本当に綺麗だよ。 …ま、この目をこんな間近で見れるのはオレだけにして欲しい所だけど」
『も、勿論六代目だけです…! 就任される前からずっとずっと憧れで、好きでしたから…!』
「本当に?」
『本当です…!』
真実を口にするたびに、どんどん赤らむ顔に潤んでゆく瞳。
恥ずかしい気持ちと、切ない気持ちが入り交じってそれは涙として現れた。
あぁこの距離から離れたら、彼の顔はもう見えやしないなんて思い知りたくなどない。
醜く厚いレンズに邪魔された世界じゃなく、私自身の目で六代目をもっと見ていたい…。
の目が不安そうに瞬かせられ、溢れた涙がパタパタとカカシの頬に零れ落ちた。