第1章 始まりと白いウサギ
気が付くと、何もない空間に来ていた…
何処かで時計の音が聞こえる…
思わず周りを見渡す…
…
…
「あら、こんな所にお客さんなんて珍しいわね…」
遠く…いや、近くから自分以外の声が聞こえた…
「あっあなたは…!!」
声のする方に振り向くと、見覚えがある顔だった…
そう…夢の中で…
「あら、私の事は知っているのね…」
ウサギ耳の生えた少女は微笑みながら話し始める…
「知っているかもしれないけれど…私はユキ=クリスタルです。こう見えてれっきとした役持ちです!巷では魔女と呼ばれています…」
あっやっぱりこの子も役持ちなんだ…
「あれ?…もしかして貴方がスノウさん?」
「そう…ですけれど…」
「わぁ‥!会えてよかった~話はナイトメア様から聞いています!先程は親戚のペーターが失礼いたしました」
…親戚?
変質者とこの子が?
ってかナイトメアって誰?
「え~っと…貴方の親戚って…」
「え~っとですね…認めたくないけど…ペーター=ホワイト宰相閣下の親戚なんです…」
うわ~この子も可哀想に…
ってか、この子は表に出てこないのかな?
だんだん視界が薄れていく…
「ユキ!!…また会える?」
「‥」
ユキは答えない…
…
…
…
暫くして…
「私達が同じ時間軸に存在出来る様になれば…会えるかもね…」
という言葉が聞こえた…