• テキストサイズ

不思議な迷宮に落ちていく

第6章 時計塔との別れとクローバーの国


「時計屋は、引っ越したんだ…時計塔ごとな…ここが時計塔があった場所だ…今は無い」
咄嗟にアリスの手を握る…
「スノウ…」
心配そうにアリスはスノウの顔を覗き込む…
「ユリウスは…私を置いて、どっかへ行ってしまったの?」
「いや、そうではない。時計塔ごと消えたんだ…」
この世界の引っ越しは…地形が変わるらしい…
どんな引越しだよ…とつっこみたくなったが、押さえておく…
「信じていないな…とし、じゃあ見せてあげよう…」
ナイトメアが指を鳴らす…
すると地図のような映像が現れた…
「この塔から見える景色だ…」
ハートの城と帽子屋屋敷はあるが…遊園地と時計塔が無い…
遊園地があった場所には森が広がっていた…
それ以外に深刻な事がある…
「どうしよう…住む所がなくなっちゃった…」
今にも泣きそうな顔をして立っていると…
アリスが手を握り返す…
「何処にも住む場所が無かったら…帽子屋屋敷に来たら?ブラッド達もきっと力になってくれるわ…」
「なんだったらここに住むのでも良いぞ…ここは時計塔のあった場所だ…また引っ越しがあれば、ここが時計塔に戻るかもしれない…選んでくれ…スノウ…」
どうしよう…次いつユリウスがこの土地に戻って来るのかも分からない…
アリスの居る帽子屋屋敷にお邪魔するかクローバーの塔にお邪魔するか…
どちらも私にとってはとてもありがたい申し出だ…
でも、今更場所を離れる気はない…
引っ越しで知らない場所に飛ばされない限り…
それに、帽子屋屋敷の皆には迷惑をかけたくないし…
/ 90ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp