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ダイヤのA 御幸一也

第19章 今できること


「おはよう」

「おはよ、今日も早いな。」

「沢村くん、降谷くんの方が今日は早かったよ。来たら、もう走ってた。」

「あいつら、また…。全然言うこと聞かねぇ。」

そうだ、と何か思い出した御幸くんはソッと私の頭に触れた。

「タンコブどうなった?まだ、痛え?」

「平気平気。昨日はごめんね。」

昨日のことを思い出して、また顔が熱を持つ。


唯ちゃんたちが来て、プリンの事を話そうと御幸くんに手を振ってみんなと合流した。

「舞、朝から顔赤いけど、もう熱中症?」

「いやー、これは…。それよりみんなに手伝って欲しいことがあるんだけど。」

プリンの事を話すといいね!って言ってくれて、みんなで人数分作ることになった。

昨日切ったフルーツは、今日の練習の休憩時間に食べてもらおう。

マウンドを土を盛って高くして仙泉の長身の投手対策として監督自らバッティングピッチャーを買って出て選手を相手にしていた。

昼食の休憩。
手分けして全員に配る。
200球近く投げぬいた監督にも。

「マネージャー、プリンごちそうさま。夏川が君が発案者だって。
明日も作ってくれるの?」

「亮介先輩のお口に合いましたか?良かったです。
ご希望なら作って持っていきますよ。」

「お願い。」

「わかりました!任せてください!」

「君は本当にいい子だね。」

手刀やほっぺは引っ張られるのとかはいつもの事だけど、亮介先輩に頭を撫でられたのは初めてだった。

「凍らせたフルーツも美味かった。午後からの練習も頑張れそうだよ」

「ほかに何かできることがあれば、何でも言ってくださいね。」

「十分やってくれてるよ。」

毒舌を吐かない亮介先輩はなんかいつもと違う雰囲気に見えた。
「兄貴、午後から守備練付き合って…
マネージャー!さっきのプリンとてもおいしかったです。ありがとうございます。」

春市くんが礼儀正しくお礼を言ってくれた。

「いえいえ、これくらいしかできないから。」

「舞!」
唯ちゃんに呼ばれて二人にペコッと、頭を下げて走り出した。

「甘酒を買いに行くけど、ほかに何か必要な物がある?」
買い出し班に必要な物を伝えて私は雑用に戻った。
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