第2章 一年生 ② 修正済
「知ってる。入学してから何人目?ちなみに俺が知ってるだけで5人。3年生や2年の先輩の達からも…だろ?」
なんか…すごく意地悪…。
「御幸くんだってこの前、告白されてたでしょ?」
「俺のことはいいの。
野球漬けだから、そんな暇ないって断ったし。
つうか、友達だって、押し切られてホイホイ連絡先交換するかね。
しつこくされるの目に見えてる。ああいう男にはビシッと断らなきゃ、つけあがらせるだけ。」
なんか言い方がトゲトゲしてて、本当に意地悪。
目、合わしてくんないし…
昼寝邪魔されて、機嫌悪いのかと思って屋上を出た
教室に帰ると川上くんが爪切り持ってない?と聞いてきた
「ピッチャーが爪切りで爪切ったらダメだよ
そこ触って、整えてあげる」
ヤスリで川上くんの爪の手入れをした
「へぇーうまいもんだな」
「兄が下手くそだったからいつもやらされてだから」
「そうか…」
どこから聞いたのか兄の事はもうみんな知ってた
「やだな、もう吹っ切れてるから
川上くんがそんな顔しなくていいよ」
席を立ってポンと川上くんの左肩を叩いた
教室の入り口には、さっきより怖い顔した御幸くんがいた
「ノリ、それくらい自分でやれよ」
「あ、うん…
ごめんな、ありがとう」
物凄く機嫌が悪い…
どうしたの?
それから2.3日、御幸くんとはまともに口を聞いてない
「御幸となんかあった?」
他のクラスの白洲くんからもそう声をかけられるほどだった
「わかんないの。なんかしたかな…
練習終わったら、話してみる」
「頼むよ…ピリピリしちゃってやりにくい」
ご機嫌取るのは苦手だけど、ピリピリしてんのは良くない…か
今ではすっかりチームの軸になってる人が、ピリピリしてたらやりにくいよなぁ。
原因は私みたいだし。
私以外とは、特に変わった感じはしなかった。
強気なリードで投手の力を最大限に発揮させられる
すごいなぁ…尊敬する。
送球練習をしている御幸くんを見つめながら、そう思った。
真剣な眼差しはみんなかっこいい。
練習が終わって、一息ついてる御幸くんに話しかけた。