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ダイヤのA 御幸一也

第2章 一年生 ② 修正済


時々意地悪で時々優しい
掴み所のない人
みんなからは性格悪いぞとイジられることもある


そんな印象だった。


自転車を漕いでくれて、後ろに私が乗る。
本当はいけないことだけど、近くで見る御幸くんの背中はとても大きかった。



次の日の朝練で顔を合わせた時に、昨日のお礼と巾着袋を渡した

「ん?」

「お礼におにぎり作ってきたの、朝練終わったら食べて」

「おー、まじか!ありがとな」

想像以上に喜んでくれて、私も嬉しくなった。


教室に移動すると自分の机と仲良しこよしの御幸くん。
机にぐてぇーと寄りかかって、目を閉じてた。

疲れてるんだろうなと思ってそっとしておいた。


「チャイムなったよ、起きなきゃ
寝てたらキャプテンに報告するように言われてるんだけど…」

「え、まじ?!」

寝起きのボーッとしてる顔もなんだか可愛いと思ってしまう

同じクラスの倉持くんも聞こえていたのか飛び起きた。


「おにぎり、うまかった。また、作って」

「御幸くん、料理得意って聞いたよ?」

「誰かが握ってくれた方が断然に旨い」

そういうもんなの?

倉持くんが俺も俺もとアピールしていた。





昼休み、他のクラスの男の子から呼び出される。


お弁当食べ終わったら屋上に来てって。


なんだろう…と不思議に思いつつも屋上に向かう。


「入学した時から、ずっと気になってた
可愛いなって…好きです。付き合ってください。」

「…。ごめんなさい、あなたの事よく知らないし…今は誰とも付き合う気ないんだ。部活のことで頭いっぱいだから。」

「そうだよな。急にごめんな。
あのさ、友達からってのは?」

「友達?」

「そう。友達!」

名前と携帯番号を無理矢理教えられてしまう。
必然的に私の番号も教えることになって。


呆然とはこの事。

友達になるのに断る理由ってあったっけ…
乗り気ではなかったけど、どう断っていいのかわかんなかった。


「うちのマネージャーは随分とおモテになってるようで」

「え、いつからいたの?」

「せっかく昼寝してたのに、後から来たのは舞ちゃん達だっつうの」

お昼休みどこにいるかと思ったらこんな所で寝てたのか…

「別にモテてないよ」

「クラスの奴からも聞かれるぞ。
舞ちゃん彼氏いんのかって」

「いないよ」

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