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ダイヤのA 御幸一也

第2章 一年生 ② 修正済


夏の大会は奇しくも敗れてしまう。

散々泣いて、泣き尽くして
それでも、前を向かなくちゃいけない。

夏練は、本当にキツそう…。

熱中症に気をつけなきゃな。


今日は一日中ドリンク作りをしていた気がする。
作っても作ってもあっという間になくなっていくんだもん。

自分の水分補給をすっかり忘れていた。

練習が終わって片付けをしている時、目の前が一瞬真っ白になった

座り込んだ私に御幸くんが駆け寄ってくる

「バーカ。自分が熱中症になってどうする?!
早くこれ飲め!」

スポーツドリンクを持たされて、頭から水をぶっかけられた。

「早く飲めってば」

一口飲んでやっと生き返った感じがした

「矢代、大丈夫かよ。ベンチでちょっと横になってろよ」

倉持くんがそう言ってくれて、御幸くんが運んでくれた

「ベンチじゃなくて、部室行くぞ」

部室で御幸くんの着替えを差し出された

「ごめん、後先考えずに水、ぶっかけて…
Tシャツ…白なの…忘れてた…」

背中を向けて、差し出されたTシャツをボーッと眺めていた


「おいおい、ほんと、大丈夫か?
ぶっかけといてなんだけど、その…透けてるから…目のやり場に困るから
早く着替えろ。俺外に出てるからさ」


そう言われるまで全く気づかなかった。

濡れたTシャツが肌に張り付いて気持ち悪いことを…。

急に恥ずかしくなる。
御幸くんのTシャツは大きくてダボついていた。

「さすがに大きいか」

ニヤニヤ?口角を上げて御幸くんは笑ってた

「チビだなぁ、ほんと」

「御幸くん達が大きすぎるんじゃない?」

頭にポンと手を置いて、明るい笑顔を向けてくれるけど、目線を合わしてきたかと思ったら、体調管理は大事だぞと怒られた。

「ちょっとクラッとしただけだから」

「今日はもう帰れよ、先輩達には言っとくから」

「あ、でも…まだやることある」

「なに?」

「みんなの背番号付けなきゃ。」


マネージャー4人で1人5舞ずつ。

うーんと唸ってそれなら仕方ないかと仕事する事を許してくれた。

「終わったら声かけろよ。
ランニングついでに送ってくから。
それから、俺の背番号は舞ちゃんがつけて」

「私の持ち回りは1〜5。」

「やったね」

ニコニコしながら、御幸くんはバットを振りに行った。



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