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ダイヤのA 御幸一也

第13章 大会直前


エースで4番がバッターボックスに立つ。

チームを勢いつかせないために、三振に取りたいと思ってんだろうな。

2球目、珍しく御幸くんがボールを後に反らした。

え、うそ…。御幸くんが後に逸らすなんて初めて見た。

今のボールってフォーク?!いや、あれは…スプリットかな?

うぅ…最近避けてきたから、降谷くんと何の球種練習してたのか全然わからない。
気になる!!


予定通り、6回からは沢村くんの登板。
あの時以来のバッテリー。

再三のピンチをバックに助けられて無失点に抑えてた。


青道の攻撃。哲先輩が選んだフォアボール。
1死1塁からバッターは御幸くん。

哲先輩が完全に盗んで1死2塁。

ランナーが2塁にいる時の御幸くんの打率はかなり高い。
お願い撃って。


狙いすましたかのようなバットスイング。
思いっきり踏み込んで、無理やり引っ張った打球はライト線ギリギリに落ちる。

「やった!長打コース!」

「舞、喜びすぎ」

「いや、これは…。」

幸ちゃんに突っ込まれて、顔が熱くなる。
恥ずかしい…



試合結果は14-7

試合の後は、合同練習。
帰りに春乃ちゃんがおにぎりを桐生の選手に渡しに行った。



「桐生の選手たち、うちの女子マネたちみんなかわいいって言ってたってさ。」

「御幸くん!」

まともに話するのあの時以来で、ちょっと緊張する。

「一年マネちゃんは真っ赤になってたよ」

「あのさ…、後で話…ある。今はウガ先輩にアイシング持っていってくるから。ちょっと待ってて。あの打球身体で止めてたでしょ?プレーには支障なかったみたいだけど、我慢してるかもしれないから、一応。」

「行っといで。ここで待ってるから。」

ウガ先輩は、平気だと言っていたけど、ちゃんと冷やしてくださいと押し切った。
お礼にって、またプリンをくれた。

「御幸と食え。」

「え?御幸くん?」

「マネージャーと話したそうにウロウロしてたからな。待ってんだろ?早くいけ。」

5号室を後にして、御幸くんが待ってる所に急いで戻った。

「これ、ウガ先輩から。」

「ほぉー、あの人もとことん舞ちゃんに甘いな。いつもは沢村に食われたって騒いでんのに。」


少し距離をあけて、腰をおろした。

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