第12章 夏合宿スタート
打撃練習、守備練習。
投手陣の守備練習。
各ポジョンに別れての練習。
「御幸くん、新しいボールここ置いとくよ」
送球練習をネットに向かってやっている御幸くんにそう声をかけた。
「ボール渡しする?」
「頼む。丹波さんに振られちゃったから、もうちょっと送球練習しとく」
「丹波さんの気迫がすごいよね、ビシビシ伝わってくる。」
「後ろから追いかけられるプレッシャーはまぁ怖いから」
ダラダラ練習をしてるのではなくて、個々が目的を持って練習に取り組んでいる。
「舞!そろそろご飯の準備しよ」
「はーい。じゃね、私いってくる。」
「梅干しとおかか入れといて。」
「ラジャー!」
100人近くに行き渡る様におにぎりを握る。
あとは、からあげとかバナナとか。
お味噌汁もマネージャーみんなで作った。
倉持くんが悪い顔して、沢村くんにもっと食えと言ってる。
「吐いちゃうね…」
「あいつが、先輩じゃなくて良かったー」
夜は、ポール間ダッシュ20本。
インターバル90秒。
ベースランニング100本。
1年生3人は、本当にきつそうだ。
最後にグラウンド20周。
ランニングが終わる前に、アイシングの用意しとこ。
ランニングが終わったら1年生からは笑顔が消えた。
朝練のメニューはトスバッティング200球、ノックに、ランニング。
朝食まてにも、身体をいじめ抜く。
「沢村、小湊、降谷には大盛りついで」
「吐いちゃうよ!」
「それでも!食っとかなきゃ合宿中持たねぇんだから。」
ニヒヒと意地悪に笑う倉持くんと御幸くん。
ふたりの分も大盛りにしといた。
3日目くらいから1年生と上級生に差が出始める。
最後のランニングにもついていけてないな…
「舞ちゃん、おつかれ」
「そっちこそおつかれさま。なに?氷?テーピング?」
「まだマネ室にいる?匿って。
哲さんに将棋の相手させられるし、純さんにはマッサージさせられるし
俺の部屋たまり場になってんの。早く寝てぇってのに、みんな元気有り余ってる」
お風呂あがりの御幸くんが髪の毛をタオルで拭きながらやってきた。