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ダイヤのA 御幸一也

第57章 御幸の気持ち ⑧


6試合すべて終わってバスに乗り込んだ時、美馬からメールが届いた。

甲子園で待ってる。
マネージャーの彼女によろしく。

「あれ?メール?珍しいね。もしかして美馬くん?」

「窓側譲るからここに来て。」

「ん?」


舞ちゃんは、美馬のメールに私?!って驚いてた。

「御幸くんの周りにはなんか負けず嫌いな人たちばかり集まるよね。
やっぱり日本一目指すには負けず嫌いが必須なのかな。」

「負けず嫌い相手にするのも大変なんだぞ」

「ふふっ、そうだね。」

行きと同じように俺の肩で眠る。
乗り物に乗ったら間違いなく寝る。

彼女の頭に寄りかかるように自分の頭も傾ける。
カシャと機械音がして目を開けると倉持が気味の悪い笑顔を浮かべていた。

「矢代に送っとこ。」

は?辞めてくれ…完全に顔が緩んでるから。
つうか、倉持のスマホのデータに舞ちゃんの寝顔があるのが耐えられん。
起こさないように消せ、消さねぇとすったもんだしていると、んーーと舞ちゃんがゴソゴソ動き出した。
腕に舞ちゃんの腕が絡んで来て、抱き枕みたいにされる。
むにゅっと彼女の胸が当たってる。

勘弁してくれ…。
キャッチャーだから滅多に被らない野球帽を目深に被ってふて寝した。
まぁ、舞ちゃんの寝息が耳元でしてとても眠れそうにはなかった。

学校について、スタッフルームでこっちの試合の結果を聞いたり、報告したりとキャプテン業をこなした。

投手陣に明日朝のミーティングの件を伝えながら舞ちゃんを探す。
ノリもいねぇな。
どこ行ったんだ?

倉庫の明かりがついていて、そこにお目当てのふたりがいた。
ゾノと小湊も一緒か。

楽しそうにしてるのを邪魔するわけにはいかねぇから、まだ伝えてないメンバーに先に伝えに行く。

俺が行くとボール磨き辞めちまうだろうしな。
あれは結構重労働、選手が手伝ってくれれば舞ちゃんたちの負担も減る。


舞ちゃんが、ノリをゾノを小湊をかっこいいと褒めている。
プレーだったり、立ち振る舞い、バッティング…褒めてる箇所はそれぞれ。

舞ちゃんの"かっこいい"は魔法なんだ。
やる気、モチベーションを上げてくれる。
それは俺だけじゃない…と思う。
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