• テキストサイズ

ダイヤのA 御幸一也

第57章 御幸の気持ち ⑧


自覚してないのがハラハラするが…
彼女の一言で踏ん張れる。
そんな部員も多い。

ノリは後回しだ。
他の投手陣に伝達事項を伝えて、戻ってきて終わってなかったら、俺も手伝おう。

早く終わっていたら、あの3人なら誰かが送っていくだろうしな。

もし帰っていたら後で電話しておこう。
電話をかけると明るい声で俺の名前を呼んだ。

「ご機嫌じゃん。」
「へへ、亮介先輩とか楠木先輩たちが近々練習に顔出すかもって春市くんから聞いたんだ。大会は絶対見に来てくれるんだって。」

この様子だったら、小湊が送っていったんだな。
クリス先輩も沢村の様子気にしてるだろうし、予選では会えるかもしれない。
哲さんには東京選抜の練習試合で会えるだろうし。
先輩と会えると思うとワクワクする気持ちわかる。
成長した自分たちを見てもらいたいし、年上がいる安心感もある。

パラパラとスコアブックを捲ると紙の音が舞ちゃんにも届いたみたいだ。

「どの試合?やっぱり白龍戦の?」

「当たり。なんでわかった?」

んー?なんとなく…とすっとぼけられた。
ねぇー聞いてよと話題を変えられる。

真田が愛知に遠征だったらしく名古屋コーチンが美味かったと自慢してきたらしい。

「舞ちゃんも米沢牛食べただろ?」

そうだけど…食べたことないもんと不満タラタラ。
真田と密に連絡を取ってるっぽいな。
ほぼ真田発信みたいだ。
まだ舞ちゃんのこと引きづってるというか、習慣みたいなものと捉えてるけど、やっぱりおもしろくない。


「なんか様子が違ったんだよね…なんかあったかな…」

舞ちゃんのセンサーは真田にも敏感らしい。
悔しい負け方したのかな、それとも怪我でもしたんじゃないかと心配している。

俺に言ってくるくらいだから、彼女は純粋に心配しているだけだろう。
もしたった一言で真田の異変を感じ取ったなら、今の俺の感情も読み取ってはくれないか?
妬いてるって口に出したら、真田に負けた気がする。
他のやつなら、はっきり言えるんだが…


長電話を切り、ベットに横になった。

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp