第53章 ※ 体温
御幸くんに愛されると、心も満たされて
一緒にいることが心地良い。
「舞、好きだ。」
え、今…名前呼び捨て…。
「おいおい、泣くとこか?」
「初めて呼び捨てにされて、感極まっちゃった…」
「嬉しかった?」
コクンと頷くと御幸くんは私の好きな笑顔を浮かべた。
「舞はいつまでたっても御幸くん、だもんなぁ…」
「え…だって…」
ずっと御幸くんだったから、今更…なんて呼べばいいか
わかんない。
俊平の事を引き合いに出されて…スネた御幸くんは腰の律動をもっと激しくする。
そんな激しくされたら、名前呼べないよ…。
胸とナカと一番敏感な所を、同時にされて私は果てた。
乱れた呼吸を一生懸命整えて。
「か、一也…くん」
呼び捨てはハードル高い。言ったはいいけど、恥ずかしすぎて両手で顔を隠した。
御幸くんも一緒に果てたはずなんだけど、ナカにいるそれはまだ硬さを失ってなくて…
むしろさっきよりも大きくなってるみたい。
「もっかい、呼んで。一也って、もっかい。」
「一也」
「舞の気持ちちょっとわかったかも…
好きな子に名前呼ばれるのってこんなにも嬉しいもんなんだな。
最初に、謝っとく。もう加減できねぇかも…。」
言葉通りに加減なんて全くなくて、しかも一回吐き出してるからか、さっきより長くて激しい。
生理的な涙が溢れて、声さえあげられなくなって、ただただ身体を震わせる。
ドサッと御幸くんが覆い被さってきて、彼の体温がすごく心地良い。
ゆっくりと引き抜かれた。抜かれる時でさえも感じてしまう。そして、少し寂しく思う。
「舞、大丈夫か?水飲む?」
「ん、大丈夫…。ちょっと休みたい…。くっついたままがいい。」
「声、掠れてるから水だけでも、飲んどこう。」
ボーッと放心状態の私に、口移しで水を飲ませてくれる。
もっといる?と聞かれて首を横に振って御幸くんの身体にピトッて引っ付いた。
「今日は舞が甘えただな。かわいー」
御幸くんの呼び捨てにまだ慣れなくて、恥ずかしい。
照れてるのがバレて、揶揄うように笑った。
「あー、寮に帰りたくねぇな…このまま朝まで一緒に入れたら最高なのに。」
「みんなにバレたら何言われるかわかんないよ?」
確かに朝帰りはまずいよなと御幸くんも笑った。