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ダイヤのA 御幸一也

第52章 夏に向かって


ミーティングで監督は背番号は一旦白紙に戻すと言った。
これから夏までに何人が化けるのか…

なんで背番号は20番までしかないのかな…。
みんな死にものぐるいで頑張ってる。
3年生全員に背番号があたればいいのに…。
何枚でも喜んでユニホームに背番号を縫い付けるのに。


御幸くんと降谷くんは明日、決勝を見に行くみたいだ。


「舞ちゃんはどうする?」
「ナベちゃんが行くなら私も行きたい。」
「よし、じゃぁ7人だな。」

沢村くんが御幸くんに聞きたいことがあると言う。

「リードのこともっと知りたいんだって」
ナベちゃんから聞いた沢村くんの気持ちに御幸くんは負けられねぇよなと優しくつぶやいた。



御幸くんの部屋に集まったのは、沢村くん、降谷くん、ノリくん、小野くん、隅っこに奥村くん、それに私。

「リードと配球の違いはわかるか?」

御幸くんの問いにはぁ?と返す沢村くん。

「舞ちゃん、教えてやって。」

「配球は机上の論理、リードは実践的攻略って感じ?」

「正解!100点満点。だけど、沢村には伝わってねぇ…」

ポカーンと口を開けてる。

御幸くんがわかりやすく噛み砕いて沢村くんに教えた。


「じゃぁまず初級編からいこうか」

えー!と驚いた沢村くんに奥が深いんだと御幸くんは笑った。

「なんで、姉さんはそんなにキャップの気持ちつうか、意図を理解できてるんですか?」

こういう時ならどうするか、どうしたらいいかって質問に、御幸くんが求めていた答えを導き出したのは私だけだった。

「御幸くんの事はずっと見てるもん。クセっていうかこう動いてほしいんだろうなってのはわかるよ。ちなみに小野くんのもね。
キャッチャーによってひとりひとり考え方が違うから、そこの違いを見つけるのも、面白いよね。なるほどなぁって教えてもらうこといっぱいあるよ。さすがにまだ1年生のキャッチャーの子たちはわからないけど。」

「姉さん、マジですげぇ…」

沢村くんから尊敬の念をヒシヒシと感じる。
一方で奥村くんからは、睨まれていた。

奥村くんの地雷を踏んじゃったらしい。

「姉さん、俺にキャップの気持ち読み取る術わけてくんないですか?」

そんな術使ってないよとみんなで笑いあった。

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