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ダイヤのA 御幸一也

第49章 3年生


「さぁて、今年はどんなに生意気な奴らが入ってくんのかねぇ」

「悪い顔になってるよ」




夜、高島先生に頼まれたものを御幸くんに渡しに行ったら、新入生が部屋に入ってきた。

御幸くんと同室の木村くんがまずは自己紹介をした。

「部屋であんまうるさくない人だし、楽にしてていいよ。
そのうちわかると思うけど、マネージャーの矢代さんと付き合ってる。いくら美人だからって惚れるなよ。」

御幸くんはヒラヒラと手を振った。

おやおや、新入生くん。御幸くんの事ものすごく睨んでない?

キャッチャーの奥村くんか…。
この子、秋の大会ずっと見に来てたよね?
スタンドでよく見かけた。

「マネージャーの矢代です。よろしくね。
じゃぁ、御幸くん。高島先生ができるだけ早く書いて持ってきてって言ってたよ。
おやすみー。」

「了解。おやすみ。」

奥村くんの横をすり抜けて、 1階に降りると5号室の前はかなり賑やかだった。

「また新入生いじめてる。」
「5号室の恒例行事なんだって。」
「もう!びっくりして放心状態じゃない。
大丈夫?」

気が弱そうな子だし、先が思いやられるな…。





翌日、通いの子も合流して恒例の自己紹介と一言。
35人か…
早く名前と顔覚えなきゃなぁ…。

マネージャーの後輩もできるみたいだし、頑張らないとっ!


春季大会が始まる。
3回戦は永源。

御幸くんの2ランがフェンスに突き刺さる。

「どうやったらあんな打球飛んでくんだろ…」
「御幸も練習で木製使うようになって、さらにバッティングに磨きがかかったな。ムラっ気もなくなってきた」

木製は少しでもポイントズレたら飛ばない。
練習では使ってる人結構いるけど、試合で使いこなしてる春市くんは本当に凄いと思う。
春市くん、御幸くんに続いて降谷くんもヒット、打線が繋がって7回コールド。


帰りのバスで不機嫌なのを御幸くんに見抜かれた。

「後で話すから、今は暴言はいちゃいそうだから、気を静める。」

いや、いいと思うよ。入り方は人それぞれ。
降谷くん目当てでいいとは思う。野球に興味なかった子が興味を持つことが凄いことだもん。

でも、野球やってるのは降谷くんだけじゃない。
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