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ダイヤのA 御幸一也

第49章 3年生


御幸くんにいきなり聞かれた進路。

別々の道へ歩むための準備をそろそろ本気で考えなきゃいけないかな。

詳しくは知らないけど、プロからもお声がかかってるらしい御幸くんとは高校を卒業したら、交わることはないと思う。
毎日顔を合わせて来たから、会わない日の想像ができない。

そんな先の事を考えたくなくて、野球に集中したいって思ってるのかもしれない。

あと4ヶ月。悔いだけは残したくないから、精一杯チームの事だけを考えよう。


「御幸先輩こんなとこにいた!練習付き合ってくださいよ。」

「沢村!空気を読め。せっかく舞ちゃんといるんだから。」

「いいよ。沢村くんに付き合ってあげてよ。みんなも自主練してるっぽいし。キャプテンがここで油売ってたら示しつかないんじゃない?」

「あざっす!御幸先輩借ります。」

俺は物じゃねぇよとブツブツ言いながら、沢村くんに引きづられていった。


日が暮れて、室内練習場の前でハワハワしてる春乃ちゃんを見つけた。
「どうしたの?」
「小湊くんが…」

私も中を覗いてみると、前髪を切った春市くんがいた。

「わぁーー、いいね!すごくいい!男前だ!」
「舞先輩、褒めすぎです。」

照れて顔を真っ赤にしながらバットを振った。

食堂でも春市くんの話題で持ちきり。
沢村くんがしつこくして、黒い春市くんが出てきてしまった。


「亮介先輩かと思った…」
「焦った…」
倉持くんも思わず呟いた。



短い春休みも終わった。

「結局3年間ずっと一緒かよ。見飽きたわ!」

「なになに、嬉しいくせに。また一年間よろしくね、倉持くん。」

「お前、性格が御幸に似てきたな。」

自分のクラスを確認して教室に向かう。
その間もいろんな人から声をかけられてる御幸くんと倉持くん。

席についても囲まれてて、見たことない笑顔を浮かべていた。



「疲れた…」
「ハハッお疲れさま。」

昼休みぐったりしてる御幸くんと一緒にお昼を食べた。

「今日、新一年生入寮するんだよね。」
「そうだな。」
「粒ぞろいってコーチが言ってた。あれから1年かー。早いな。
今夜はDVD見て夜ふかししたらダメだよ。」
「沢村は初っ端からやらかしたからな」

原因の半分は御幸くんのような気もするのは黙っとこう。

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