第43章 良薬口に苦し
全然知らなかった。
のんきに眠ってたよ。
「キスしたら移るってほんとなんだな」って上機嫌の御幸くん。
お詫びにとアイスを持ってきてくれた。
女子寮のロビーでしばしおしゃべりタイム。
「明日から練習行くね」
「沢村に効きましたか?って詰め寄られるかもな」
んー、それはなんて弁解しようか…
「素直に飲んでないって言うべきだよね。」
「でも、舞ちゃんが寝込んで3日だから、忘れてる可能性もあるよな。あいつ、バカだし。」
「それはひどいんじゃない?」
そうか?とカラカラ笑う御幸くん。
さすがにそれはないんじゃないかと思ったけど、特に何も聞かれなかった。
沢村くんおバカなの本当なのかな…。
「舞ちゃん、元気になって良かったよ。」
「移しといてそんなこと言うのはこの口かなー?」
御幸くんのほっぺを引っ張った。
それを見ていた倉持くんと白洲くんが呆れていた。
「で?御幸くんは何してるの?」
「あー、吹奏楽部にヒッティングマーチのリスト書いてって言われたから。」
選抜に向けてブランドもヒッティングマーチの曲を練習するからリストが必要なんだ。
「倉持がTRAIN-TRAIN
白洲が必殺仕事人
俺が狙い打ち」
「みんなぴったりだよね。どうやって決めたの?本人の希望?」
倉持くんのTRAIN-TRAINとかピッタリだよね。
♪TRAIN-TRAIN走って行け〜だもんな。
白洲くんもまさに仕事人だしな。
「俺は亮さんが決めてくれた。」
「俺は楠木さん。」
そうだったんだ。
みんな先輩に決めてもらったんだなー
「御幸くんは?」
「俺は哲さん。」
「やっぱり!」
「2年はだいたい決まってるし。
あとは1年かー。
降谷は北の国からでいいし。
沢村は暴れん坊将軍。
小湊はさくらんぼ。
あとはの金丸と東条か…なんか思いつくのある?」
うーんとみんな考え込む。
どんなヒッティングマーチが好きかっていう話になった。
「ジョックロック!!」
「魔曲だ!」
「アフリカンシンフォニー!」
「うんうん、好き。」
「コンバットとかGフレアも渋くていい。」
「あーー、わかる!」
ヒッティングテーマで思いの外盛り上がった。