第36章 何か変わった?
「変じゃない?」
「大丈夫!かわいいって!御幸くんも惚れ直すと思うよ。
元々舞ちゃんしか眼中なかった人だけどね。」
いってらっしゃいと背中を押されて、御幸くんが待つコンビニに向かった。
「誰かと思った…」
「友達が貸してくれたんだけど、変?」
「いや、いい!めっちゃいい!!かわいい!!」
友達に頼んで良かった。
デートって単語に浮かれてたけど、どこ行くんだろ。
御幸くん行きたいところあるのかな?
「ブラブラするのもいいし、映画とか見る?
それとも買い物とか?」
「普段映画ってなに見るの?」
「ほとんど見ねぇ…」
「野球づけだもんねぇ。」
ヤバイ…野球なかったらほんと何したらいいかわかんないな。
「ま、とにかく俺は舞ちゃんと出かけたかっただけだから、やりたいこととか行きたいこととかなんでも言っていいぞ。」
うーん。
そう言われると困るなぁ…
「とりあえずショッピングモールでも行く?」
「そうだね。服とかちょっと見たいかも。」
御幸くんも私も服をお互いに見立てたりしてウィンドーショッピングを楽しんだ。
かわいい雑貨屋さんがあって、ペアのかわいいマグカップに一目惚れした。
「気に入ったの?」
「北欧柄好きなんだ。かわいいなー。んー、どうしよう…」
「俺は青。舞ちゃんはこっち」
それぞれ手に持ってみる。
「うん、いいと思う。買おうよ。
俺は舞ちゃんがくれたマグカップ使ってるから、これはそっち行ったときに使う。」
「女子寮だってば。忍び込むの?」
「死角の道があるって聞いたから絶対バレねぇって。」
そんなの誰から聞いたの?
でも、おそろいのものってなんだか嬉しい。
色違いのマグカップを見てニヤついてしまう。
「そんなに喜んでくれるなら、プレゼントするよ。」
「いいよー。自分で買うから。」
「いいんだよ。夏にもこうやって一緒に出かけただろ?そんとき、デートしようって誘ったのに、舞ちゃんは全然その気じゃなくてさ、地味に傷ついた。
でも、今日は見違えるくらいにおしゃれしてきてくれて、楽しそうにしてくれて嬉しいんだ。
初デート記念てことで。」
傷つけてた…