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ダイヤのA 御幸一也

第35章 決勝 薬師戦


しばらくしてようやく御幸くんたちが帰ってきた。


「おかえりなさい!」

「舞ちゃん、ここで待っててくれたの?
だから言ったのに、待ってると思うから早く帰ろうって。」

おや、思ったより元気そう。
どうやら4人でお祝いをしてきたみたいだ。
そっか、遅いと思ったらご飯食べてきたんだ。


「後頼むわ。」

私と御幸くんをその場に残して倉持くんたちは寮の方へと向かった。

「舞ちゃんの診断通り腹斜筋の肉離れ。
3週間の安静だってさ」

「そうか…。3週間長いけど、また御幸くんのキャッチャー姿見られるなら良かった。
心配したよ。野球続けられなかったらどうしようって。」

「今日、思ったんだ。こんなおもしれー場所、誰にも譲れねぇって。9回裏の守備に着くとき。」

御幸くんらしい。
何食べてきたの?とか祝賀会の様子とかをそのまま話し込んでしまった。

「冷えて来たけど、舞ちゃん大丈夫か?」

手を取られて、御幸くんの体温で温めてくれた。

「つめたっ、場所変えよう。風邪ひいちゃう。」

御幸くんのようすが元気そうだったから、一瞬忘れかけてた。
肉離れしてるんだった…。

「御幸くん、うれしくてつい話し込んじゃったけど、もう休んで?
痛いでしょ?」

「平気だって。
それにこれから…大事な話するんだから。」

足取りがすごくゆっくりなんだけど、本当に大丈夫かな?

マネ室にやってきて、椅子に腰掛ける。
ひとつひとつの動作がゆっくりで、やっぱり痛そう。

フーッと大きく息を吐いた。



「なにから…話したらいいかわかんないから、単刀直入に言う。

好きだよ、もうずっと舞ちゃんが好き。」


座ってる御幸くんの前にしゃがみこんで、ギュッて握られてる拳に手を重ねた。


「好きとか、恋愛とか、彼氏彼女とか、今でもよくわかんないけど…
私も御幸くんが好きなの。
御幸くんの好きと私の好きが一緒だったらいいなって思う。」


「やべ…舞ちゃんの好きって破壊力あり過ぎる…ちょっと待って…」

片手で口元を隠して横を向いてしまった御幸くんの顔は耳まで赤い。
つられてこっちも顔に熱を持った。

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