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ダイヤのA 御幸一也

第26章 ブロック予選スタート


荷物を取りに行って、御幸くんと喋りながら歩いてると室内練習場からミットの音が聞こえてきた。

覗いてみると、沢村くんとクリス先輩がいた。

「あれ?クリス先輩?」

「そ、クリス先輩。」

なるほど…。御幸くんが頼んだのか…
少し複雑そうな顔で2人の様子を見ていた。

「御幸くん妬いてる??」

「バッ…ちげぇって、そんなんじゃねぇよ。
俺が言うよりクリス先輩が言ったほうが効くからな、あいつ。」

「悔しいってちょっと思ってる?」

「はいはい、それでいいーよ。」

歩き出した背中を追いかけた。

あんな言い方したって、やっぱり沢村くんの事ちゃんと考えてあげてる。
御幸くんのそういう所、好きだなぁ…


2回戦。都立三野

8-0の7回コールド。

明日も試合だ。

3年生達も練習着に着替えてグラウンドに来ている。
「おはようございます!」
「おはよう、マネージャー」

ブルペンからは、沢村くんと御幸くんの大声がここまで聞こえてきた。
賑やかなのが戻ってきて、少し安心する。

降谷くんが大きく崩れて初回から点を取られてしまう。
どうしたんだろ…
結局交代させられてしまう。
その後のノリくんが1点取られてしまったけど、よく投げてくれた。

監督からの撃が試合が終わったグラウンドに響く。

すべてが空回りしてしまった。反省会するだろうな。
準備しとこう。



「忘れたわけじゃねぇ…忘れられるわけねぇだろ…」
そう呟いた御幸くんになんて声をかけたらいいかわからなかった。

練習ではボールを使わない走り込み中心のメニュー。
全体練習がまだ陽が高いうちに終わった。

ゾノくんがみんなのお尻を叩いたみたい。
自主練ではボールを使ってもいいと判断して自主練に気合が入っていた。

グラウンドに行く途中でゾロゾロと歩く背中が…

先輩たち勢揃いでどうしたんだろ…

「こんにちは!どうされたんですか?」

「おぉーマネージャー!お前はやっぱり誰よりも早いな」
「1年は何してんだ?」
「ちんたらしてんじゃねぇぞ」

この状況が理解し難くて頭にはてなを浮かべてると楠木先輩がコソッと教えてくれた。

「3年全員で話し合って後輩しごきに来たの。引退試合も早めてもらうって今哲が監督と話してる。」

さすが、先輩たち!
ありがたいなぁ。
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