第2章 merry you
思えば、とんでもない遠回りをして来たと思う。
幼稚園に入る前から仲良くねなんて言われ続けて、幼馴染なんて少女漫画みたいな関係に似つかわしくない険悪な時期を通り越し、公安でトチ狂っていた凛を捕まえた。
約20年にもなる凛との関係に決着がついた。
癪だが、漸くそこで一息つけたのだ。
中学の頃の自分だったら舌を噛んででも認めなかっただろう感情。
自己犠牲の凛に、本当に、仕方なく認めるが、どうしようもない好意…を抱いていると。
しかしだ、凛ときたら。
俺が、付き合ってやっているというのに、どんな女優やアイドルとの熱愛報道が出ようとけろっとしてやがる。
ふざけんな。
立場が逆ならお前は相手もろとも灰になっている。
熱愛が事実だろうと捏造だろうと、いや、俺がいる限り事実になんてさせはしないが、絶対に許さない。
相手を二度と日の目を見れないようにして、凛をベッドに縛り付けて監禁して三日三晩犯した後に殺す。
なのにお前はなんだ?
呑気に俺の熱愛報道をテレビで眺めながらコーヒー飲みやがって。
俺とお前で想いの重さに差があるとでも?
いいだろう。
見とけや、クソ凛が!!