第4章 Rouge begins
かっちゃんは、凛ちゃんの行方が分からなくなってからも、ずっと凛ちゃんを探していた。
僕たちが半端諦めたようになっても、かっちゃんは全国各地の情報を集め、少しの手掛かりがあればいいと彼女を探した。
ルーキーにしては早過ぎる事務所独立を終えた後も、かっちゃんは切島君をサイドキックにし自らは事務所を空け全国を飛び回っていた。
何時でも好きな所に行けるように、爆心地の管轄がないのはそのためだというのはヒーロー界で有名な話。
全て、凛ちゃんを見つけ出すためだった。
「っ凛!」
今だって、眉間にシワを寄せ吠えてるけど、きっと本当は、直ぐにでも彼女を抱きしめたいのだろう。
かっちゃんは拳を固く握りしめて衝動を抑えるかのようにグッと堪えている。
「なに?」
なのに凛ちゃんはと言えば、数年ぶりの再会が嘘であるかのような態度。
まるで、僕らとの関係は何も無いとでも言いたげな冷たい声。
「なに、だって?テメェ、ふざけんのもいい加減にしろや」
ソファーに座る凛ちゃんに鬼の形相のかっちゃんが掌を発火させながら詰め寄る…って、ええ!?
「ちょ、まってまって!かっちゃんダメだって!!」
「離せやデク!!俺はこいつに、こいつの為になあ!!!」
ほら、今だって怒ってるけど目に涙を浮かべている。
エベレスト級のプライドのかっちゃんだ。
久しぶりの再開に嬉しいのやら悔しいのやら感情がめちゃくちゃになって、自分でもどうしたらいいのか分からなくなっているんだ。
だって、かっちゃんは幼い頃からずっと。
「いいから早く座って。時間が無駄」
「っちょ、凛ちゃん煽んないで!」
「そうだルージュ。やめろ、みっともない」
バサリと、羽のような音が鳴ったと思い大窓の方を見た。
「ホークス」
「やあ、久しぶり。次世代の諸君」
次から次へと厄介者が増えていく。