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【イケメン戦国】徒然後日譚―短編集—

第4章 急―御手柔らかに―


「……お前は本当に俺を狂わせる」
「そうですか?好きな人を閉じ込めて自分だけの物にしてしまう事を考えたら、してみたくなって」
が楽しそうに微笑むのに反して、謙信は苦しげに眉を顰める。
「俺は既にお前に閉じ込められている」
「え?」
「お前に囚われ、煩悩に振り回され、掻き乱され、身体も心もお前に縛られている。お前という檻に閉じ込められ続けているぞ」
「では、おあいこですね」
微笑むに謙信は不機嫌に顔をしかめた。
「どこがだ」
の頬を撫で、額に口づける。
「でも、私も同じですよ?」
「お前は分かっていない。これでも随分我慢し、抑える努力をしている。お前の想像など及ばぬ程に淫らでどす黒い欲望で俺は煩悶している。お前の様な清らかであどけない気持ちで「閉じ込めたい」と言っているのではない」
「……それでも、理由が謙信様の愛なら、私は喜んでその愛を全部欲しいくらいに謙信様を私だけの物にしたいと思っていますよ?」
「馬鹿者」
「謙信様?」
「もう、少しの我慢も出来そうにない。お前にそんな風に睦言を言われ、欲しがられては理性など風の前の塵芥同然だ。早くもっと触れさせろ」
食らいつくような口づけをし、性急な手つきで帯を解き、が戸惑うのも構わずに合わせを乱し肌を暴く。
抜ける様な白く滑らかな肌はやはり甘く匂い立ち、戸惑いながらもは謙信の身体を受け止めようとされるままに身を任せながら、痛みさえ伴う激しい口づけに応えようと舌を絡ませる。
時折唇を離しては唇に噛みつく様に吸い付き、の唇には謙信が残す紅が散らされた。
首筋や肩を撫で、胸の膨らみにやわく触れるとも身体をびくりとさせる。
「……」
名を呼ぶと濡れた目が陶然と謙信を見上げる。
蠱惑的な目にやはりこらえきれない。
「まだ入れないが、待てぬ」
「……?」
意味が分からず黙っているの足を自分の足を押し込んで左右に開かせ、腰を密着させると、は押し付けられた熱の塊に気付き目を見開く。
「お前の身体に触れている間、こちらも触れていたい」
「あ……っ」
まだ潤いが足りない蜜壺に、既にヌルついている硬くなった自身の熱をこすりつけるとはその感覚に甘く声を漏らす。
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