第7章 恋 十セバスチャン十微裏
“あのお酒には、少量の麻薬が入っていて、
お客に忘れられない味にさせるのよ”
昨日、確かに私は“彼”にそう言った。
言ってしまった。
「先日は良い情報を、ありがとうございました。
おかげで、仕事が少し早く済みそうです。」
“彼”はいつもの声でそう言った。
だがその声は
私をもう虜には、させなかった。
『騙したのねっっ!?!?
私を!!!!!騙して………
こんな………っ
いやぁああぁあああぁあああ!!』
私はそばにあったナイフを持って、
“彼”へ突っ込んだ。
大好きだった彼の存在も、
私の中で、一瞬にして悪魔に変わった。