第7章 恋 十セバスチャン十微裏
『そんなことないって』
私はまんざらでもないように言った
彼がいつも座る席は、お店の奥もよく見える席だった。
あまり良い景色ではないため、あまり人気ではない席。
けれどその席は私の立つ場所に最も近い。
「もー!自信持ちなさいよ!
あんたちょっとは美人なんだから…それに、
を狙ってこのお店来る人もいるのよ‼︎?
あの“彼”もきっと狙いなのよ!」
『だから、それはないって‼︎
それに、あんなにイケメンだし、身なりもきちんとしてるから、何処かのお金持ちなのよ。きっと』
「それならやっぱりチャンスじゃない!
彼はうちの“自慢のお酒”を飲んだんだもの!
あのお酒は一度飲んだらもう止められなくなるくらいに美味しいじゃない?
だから彼も、これからも毎晩通ってくれるわ!」
『そうね。これかも来てくれるといいなー///』