• テキストサイズ

闇・色

第3章 サキの術・少年時代1


___________

お風呂に入った君は、少し穏やかになっていた。
警戒心も完全にといており、マスクもはずしている。
それは可愛らしくて、そして反対に強がるところがまた愛しい。

「サキもはいれば」

なんていうから何の迷いもなくさっさと冷めた体を温める。

「お前は遠慮ってもんはないのか」

なんて言われたけど、結局お父さんのTシャツを貸してくれて、そのぶかぶか具合に、かかしのお父さんも長身でかっこよかったのだろうと思った。



「サキ、お前里で見たことない顔だけど一応…木の葉の住人なんでしょ?忍びの服着てるし」

「うーん、まぁね。あんまりくわしくは言えないんだけど怪しいもんじゃないから」

「十分それが怪しいでしょ」

「そう言わないでって。かかしくんっ」

いたずらに君の名前を口にすると、君は思った以上の反応を示す。

「!?…なんでっ?!なんで俺の名前…」

「驚いた?ふふっ私とかかしくんのこの出会いはちょっと特別なもの…今は私とかかしくんで分け合う時間なんだ」

「分け合う??‥‥なにそれ、なんかよくわかんない…でもとりあえずかかしくんってやめて。かかしでいい」

「わかったわかった、かかしっ」



そのあと私と君は一緒にご飯を作って食べる。

「サキ、お前料理したことないでしょ?なんでそーなるの」

「邪魔。もう手ださなくていいから」

なんて、泣いていた姿が嘘のように、私にブツブツ文句をいったり、ちょっとほっぺを赤くして

「ほめても何もでないから」

「もうそんなこっち見ないで」

「もう子供扱いしないでっていってるでしょ」

とツンツンしながらかわいらしい姿を見せた。

最終、

「え?サキ泊まるの?…だめじゃないけど…やっぱお前ってほんと遠慮ないよね」

と三白眼で見られる。

そんなこと言われても、図々しくそのままお泊りまでする私。
だってこれは特別な時間だから、できることなら君の傍にいたい。


/ 43ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp