第18章 催淫薬 / ※微裏
そろそろ、勝己くんが帰ってくる頃かなぁ、と部屋を出た時のことだった。
「癒月!!」
『切島くん?』
「爆豪が!!」
慌てた様子で切島君が訪ねてきた。
*
私は、切島くんから事情を聞くと全速力で勝己くんの部屋へと向かった。
『ー悪い、爆豪から癒月には言うな、って言われたけど、見てらんなくて、頼む、助けてほしい!』
勝己くんの大切な友達からの頼みだもん、絶対助ける!
それに私と勝己くんは小さい頃からの幼なじみ。
だから私も助けられるなら勝己くんを助けたい。
いつも助けられてばっかりだったし…
*
勝己くんの部屋に着いた。
「はぁ、ぐっ、ぁっ、はぁ、…」
かすかだけど、苦しんでる勝己くんの声が聞こえた。
『勝己くん? 大丈夫っ?』
「っ⁉︎…リルルっ!?」
『切島くんから聞いたの!ドア開けてっ』
「…帰れっ!」
『っ!?』
一際、大きい声で拒絶され、ビクッとなる。
「早く、…はぁ、帰れっ!頼むから…うぁっ…」
『勝己くんっ!? 仕方ない…ドア開けちゃうね!』
私は深呼吸すると、思いきり体当たりしてドアを開けた。
『…勝己くんっ!?』
そこにはベッドで半裸になってる勝己くんの姿があった。
息は荒く、涙目になりながら、何かを耐えているようだった。
「てめぇっ、…勝手に入り、やがって…はぁっ」
リルルは勝己くんの症状から、一つ思い当たるのがあった。
『もしかして…催淫薬…?』
敵の個性に、そういう類の敵がいて、市民を助けてかかってしまったらしい。
「はぁ// ちっ…やっぱりか…っ」
『我慢して治まるものじゃないから、出すもの出さないと』
「なら、早く、出て行けっ…」
『でもヴィランの個性だからただ出しただけじゃ…』
「っ…はぁ///ぁ…」