第17章 爆心地と濡れ場を演じる / ※微裏
『…っあっ、はぁっ…んゃっ///…』
彼の唇は、耳から離れて私の胸の前に移動した。
ただ移動するわけではなく、舌を這わせながら、耳の裏側から首筋へ、鎖骨の真ん中にキスを落とした。
ー いつもなら嘘っぽいって何度かリテイク入るけど、この人は触れられるたびに、素直に身体が反応しちゃうっ/// ー
『…はぁっ、はぁっ///』
「…相変わらず素直な反応、するよな…?」
『…〜っ///』
ニヤリと彼は笑うと、私の胸へ顔を埋めた。
*
「カーッ、トォォッ!!!!」
撮影の終わりを告げる監督の声。
はっ、と夢から現実に引き戻された感じがした。
そして爆豪さんがすっと離れていって、去り際にバフッと布団を被せられる。
『…うわっ!?』
「…気持ちわりぃだろ、シャワー浴びろ…」
『…い、いえー』
「2人ともお疲れ様っ、休憩しようか」
『…は、はいっ』
私が返事しようとしたところで、スタッフさんが駆け寄ってきた。
服を着ながら爆豪さんを横見みると何事もなかったかのような顔をしていた。
何か複雑な気持ちだけど仕方ない。
これは仕事なんだからと思うしかなかった。
楽屋に戻って、台本を確認するとマネージャーが入ってきた。
「リルルちゃん、お疲れ様ー、監督さん凄く褒めてたよー?」
『それは、良かったです//』
私はどうしても聞きたかったことをマネージャーに聞いてみることにした。
『…爆豪さんが、この映画OKした理由ってわかりますか?』
「…ふふ、それ聞いちゃう?」
『…凄く気になってて…』
「聞いちゃうとこれからの演技大変かもよ〜?」
ニヤニヤとしてるマネージャー。
でも気になるから仕方ない。
『確証はないけど、どんな答えでも大丈夫です!』
「…じゃあ、言うけど、あくまでも噂だからね?
リルルちゃんの、ファン、らしいよ?」
『…………へ?』
やっぱり聞くのをやめとけば良かったかもと後悔した。