第4章 ○8月4日 浴衣の日 / 甘
ふと、人がまばらな場所に着くと射的コーナーを見つけた。
『うわー射的がある!やろうよ!』
パタパタと射的コーナーに向かう私に、勝己くんは、ったく、と文句を言いながら着いてくる。
『すごい、いろんなのがある!』
「……フン」
勝己くんは、つまらなそうに見ているけど、その目はギラギラさせていた。
敵を前にするとそうなるいつもの勝己くん。
商品も敵だと思ってるのかな、なんて笑ってしまった。
そして、おじさんから銃と弾をもらって早速やってみるが、なかなか当たらない。
ーあのぬいぐるみ欲しいけど、ちっとも動かない…
はぁ、とため息をして、隣にいる勝己くんをみると、銃を構えて真剣な表情で的を見る姿。
ーか、かっこよすぎる///ー
身惚れていると、パァンと商品に当たり、おじさんから、おめでとう!とぬいぐるみを渡される勝己くん、ちょっと可愛い。
「ほら、やる」
『え、いいの⁉︎』
「俺が持ってたら気持ちわりぃだろ」
『ちょっと見てみたいけど』
「爆破されてぇんか」
「ふふ、でもありがとう//」
なんだかんだ優しい勝己くん、次は何してくれるのかな?
END