第17章 ☆肝試し中に / ※激甘裏
『…うぅ…なんでこんな真っ暗なところに、放り出されなきゃいけないの…』
「…あはは…え、えっと大丈夫っ?///」
『…大丈夫なわけないでしょっ…もう帰りたいよぅ…』
林間学校で恒例の肝試しをやろうってことになって出久くんとペアになった私。
でも怖いものは大の苦手で私は半泣きの状態で出久くんにしがみつきながらなんとか歩いていた。
『でも、出久くんが一緒で良かったっ…じゃなきゃこんなしがみつけられなかったし…』
「…そうだねっ、で、でもちょっと歩きにくいからもう少し離れてくれると…///」
『…えっ⁉︎ …離れてほしいのっ?…』
「…いやいやいや、離れてほしくはないよ!ほんのすこーしだからっ、ほんのー」
『そっか、離れてほしいんだ…ごめんね、気がつかなくて…私はずっとくっついていたかったんだけど…ぶつぶつ』
最近出久くんと一緒にいるせいか、出久くんのぶつぶつモードが私にもうつった気がする。
半泣きから本格的に泣こうとする私に出久くんは、いきなり私を胸の中に収めて立ち止まった。
『…ふえ、えっ⁉︎///』
「まったく、リルルちゃんはっ、僕の気も知らないで…」
『…いず、くくん?///』
さっきは離れてって言ったのに、この状況は離れるどころか密着しすぎて歩けもしない。
その前に次のグループが来るかもしれないのに、こんな道のど真ん中で抱き合ってたら見られてしまう。
『…いず、くくんっ、次のグループ来ちゃうよっ///』
慌てて離れようとすると、逆にぎゅうぎゅう抱きしめられる。
「…リルルちゃんのせいだから、ね?」
『…えっ///…ふっん//』