第14章 ☆保健室で / ※甘裏
私の彼氏は、ヒーロー科の緑谷出久くん。
小さい頃からの幼なじみで、しょっちゅう怪我をするから気が気じゃない。
今も、戦闘訓練で同じ幼なじみの勝己くんとやりあったって言うから急いで保健室へ向かっている。
保健室に到着して、勢いよく扉を開ける。
「あ、リルルちゃん!」
こっちの気もしらないで、平然とにこにこしてる出久くん。
至る所に包帯が巻いてあって痛々しい。
思わず私は顔をしかめた。
「そ、そんな顔しなくても大丈夫だよっ」
「何を言っとるんだい、今は絶対安静だよっ」
ちょうど治療が終わったみたいで、器具等を片付けるリカバリガール。
日常茶飯事なので、私がいてもなんとも思わなくなった。
「とりあえず治療したから、あとは安静にしとくんさね」
『いつも、すみません、ありがとうございました』
あたしゃ、ちょっと席を外すから、と保健室を出て行った。
「リルルちゃん、怒ってる…?」
『当たり前でしょっ、いつもいつもこんな傷だらけで』
出久くんの手を触るたび、私には何もできないことが思い知らされて悔しくなる。
『とりあえず無事で良かった…』
出久くんの手を握ると、突然ベッドに引きずり込まれて組み敷かれる。
『ちょっ// 出久くんっ!?/// 』
「自分じゃ何も出来ないって思ってる、でしょ?」
『……っ』
「そんなこと、ないんだよ?
リルルちゃんがいるだけで、僕は頑張れる、
僕にとってヒーローはオールマイトだけど、それはみんなだってそう。
だけど、リルルちゃんは僕専用の憧れのヒーローなんだよ?」
『……っ//』
出久くんに見下ろされて、なんかやけに艶っぽい声で言うから思わず顔をそらす。
『…っ、それより、何してっ…って、んんっ///』
絶対安静なのになんで組み敷かれてるのか、問いただそうと思ったらキスをされた。