第33章 ○その個性の名は
「…僕から言わせて欲しい…」
『…〜っ//』
「…僕は癒月さんが…好きなんだ…」
『…み、どりやく、ん…//』
「…さっきは遮っちゃってごめん、返事、聞かせてくれないかな?」
『…う、うんっ// わ、私も、好きですっ…///』
その瞬間、あと数センチで唇が触れそうな距離までぐっと腰を引き寄せられた。
「じゃあ、キス、していいかな?//」
『…〜っ// は、はいっ//』
目を瞑るまもなく、緑谷くんの唇が私の唇に触れた。
「…しちゃった、ね?」
『…〜っ///』
いつもと雰囲気が違ってなんだか色っぽくみえる。
「こんなところじゃなかったらもっと良かったんだけど…」
『…授業中なのにっ…』
「そうだったね、戻らないと…」
緑谷くんは、ロッカーの扉をガチャっと開けた。
そういとも簡単に。
『…あ、あれ?、え? 開かなかったんじゃ…』
「ごめん、実は開いてたんだ、癒月さんの気持ち知りたくて…」
ほら、いくよ?って、差し出された手に私は自分の手を重ねた。
そう、激突された女の子の個性の名はー
両思いから恋人になれる個性ー
キューピッド♡
END