第3章 肥前忠広 ドSな彼と甘美な夜・:*+.
「…お前も俺が好きなのか?」
「肥前さんは特別で…好き…なんだと思います。」
薄暗い部屋でも分かるぐらい、顔を赤らめるいろはにふっと笑みが溢れる。
「笑ってくれた…!肥前さん…今笑ってくれましたね?」
「お前俺をなんだと思ってんだよ?」
いろはのほっぺをぷにっと両側から抓る。
「いたっ!痛いですよ〜肥前さん!」
あぁ…。もっと触れてぇな。
自分の気持ちを自覚してから、可愛く笑ういろはを目の前にすると理性が崩壊しそうになる。
だめだ。嫌われたくない。
「じゃ、おやすみ」
いろはの頬から手を離し、ソファーに戻ると熱を持ち始めた欲望を鎮めるように、ぎゅっと高鳴る胸を抑える。
「手…繋いでてくれませんか?」
「おい?」
急に離れてしまった体温が恋しくなったかのように、いろはは俺の側にきて、熱を宿した瞳で覗きこむ。
「まだ雷鳴ってるし…その、ベットで一緒に…」
「はぁぁ…。お前なぁ…ほんと誰のために我慢してると思ってんだよ?こっちは理性保つのに必死なんだよ。」
「理性保たなくて…いいですよ?…なんて」
悪戯っぽく笑ういろは。
こいつ…ちゃんと意味分かって言ってんのか?
せっかく獰猛な野獣が獲物を逃してやろうとしたのに…
その瞬間、俺の中の理性がぷつりと切れ、いろはをふわっと抱き上げベットに沈める。
「お前が悪い。煽った責任取れよ?」
何が起こったか分からず、目をまん丸にするいろはに言葉を発する時間を与えないまま唇を塞ぐ。
「んんっ…あっ…!っ…ふぁ…!」
ついばむような優しい口付けは、どんどん深くねっとりした濃厚なものに変わっていく。
やばい。気持ちいい。
もっともっといろはを食べ尽くしたい。
舌を出し入れしながら、口内の弱い部分を刺激するといろはの身体はビクビクと震える。
「はっっ…んっ!あっ…ひぜ…んさ…」
「忠広って呼べ。」
「あっ…ただっひろ…もぅ……!苦し…んっ!」
快感で歪んだ苦しそうないろはの表情が俺をどんどん煽る。
あぁ…最高に可愛い。やめてやらない。
もっともっと乱してやりたい。
「あっ…んっ!もぅ…はぁ…無理…!」
何度も角度を変えた呼吸さえも許さない口付けで、いろはの瞳は潤み、口からは涎がこぼれる。