第15章 鶴丸国永 君に恍惚な驚きを…・:*+.
「えっと…ここはホテルなんですけど…。恋人たちが逢引の為に使うホテルと言うか…」
「それなら俺たちにぴったりじゃないか!行ってみよう!」
「あっ!鶴丸さんっ!待ってください!」
私の戸惑いは他所に、部屋を取ってしまった鶴丸さん。
部屋に入ると、中央に大きな天蓋がかかったベッドがあり、ガラス張りの浴槽には薔薇が浮かんでいた。
「恋人の為の宿…そう言う事か。こりゃ驚きだ!」
わくわくする子供のように瞳を輝かせて、私を見つめる鶴丸さんとは裏腹に、私は慣れない場所にドキドキしてうまく笑えない。
「いろは?大丈夫か?」
鶴丸さんは優しく私の手を引き、ベッドに座らせる。
「ちょっと…ドキドキしてます…」
「あぁ。分かってる。でも俺はいろはとここに来れて嬉しい。せっかくだし、俺と一緒に楽しい夜を過ごしてくれないか?」
その柔らかい笑顔に見つめらると拒めるわけもなく、私はこくっと頷く。
鶴丸さんは嬉しそうに私を抱き寄せると、ちゅっと啄むような口付けをする。
「鶴丸さん…」
「こらこら。煽るなんて悪い子だな?」
私はそれだけじゃ物足りず、せがむように鶴丸さんを見つめると、笑いながら鼻をかぷっと甘噛みされる。
「…ふぁ!」
「なぁ。一緒に風呂に入らないか?」
「え…っと…。」
「だめか?」
「だめじゃないですけど…わっ!」
「逃すつもりはないけどな」
鶴丸さんは私を抱き上げ、脱衣所の洗面台に座らせると、私の上着を脱がせ始める。
「このまま俺が全部脱がせてやろうか?」
「じっ…自分で脱ぎますっ…」
くすくす笑いながら、私を見つめる意地悪な視線から逃げるように背中を向ける。
そのままセーターを脱ごうとすると、ぱさっと鶴丸さんの服が床に落ちた音が聞こえて急に恥ずかしくなる。
「あっ…あの…?鶴丸さん?」
「ん?どうした?」
「さ…先に入っててくれませんか?」
「なぁ。いろは?そんな寂しいこと言うなよ?」
「っ…!あっ…鶴丸さんっ!」
鶴丸さんは私を背中から抱きしめ、脱ぎかけのセーターの中に手を入れて肌を撫でる。
「だから脱がしてやるって言ったのに…」
「待って…!脱ぐからっ…自分でっ!あっ!んっ」
「ほら?良い子だから腕上げてくれ?…ん。よくできました。」