• テキストサイズ

*・*刀剣男士と花咲く恋*・*【刀剣乱舞】

第3章 肥前忠広 ドSな彼と甘美な夜・:*+.


「あー…だりぃ…」
「肥前さん…お願いします。」
「なんで俺なんだよ?」
「政府から新しく仲間入りした刀剣男子を連れてくるようにって言われていまして…」
「他の刀剣をさっさと顕現しろよ。」
「そう言われましても…」

さっきから主とイライラするやり取りをしている俺は肥前忠広。
なんでも政府が毎年開催する審神者交流会に一緒に来て欲しいらしい。
めんどくせぇ…それ以外の言葉が見つからない。
チラッと主を見ると捨てられた仔犬のような目で俺を見てくる。

「ちっ…行けばいいんだろ。」
「えっ!一緒に行ってくれるんですか⁈」
仔犬が尻尾をぶんぶん振って喜ぶように、ぱぁっと笑う主。

「お前が行けって言ったんだろ。」
「ふふ。肥前さんが優しいってこと、私は知ってます。」
「勝手に言ってろ。」
俺はそう言い捨てて、足速にその場から去る。

主は鬱陶しい。
俺がこの本丸に来て、一人でいると何かにつけ声をかけてくる。
何度追い払ってもついてくる。
ほんと仔犬みてぇなやつ。
俺は馴れ合いなんてするつもりもないし、敵さえ切れればそれで良い。
それが俺が顕現した理由だ。

…なのに主と話してるとなんか調子が狂う。
その感情がよく分からずイライラする。

ー翌朝。

朝餉の後、主から畑当番を言いつけられた。
はぁぁ…めんどくせぇ…
重い腰あげてとりあえず畑に来たけど、やる気になれずその場に座り込む。

「俺は食べる専門なんだっつーの…」
「じゃあ、お野菜を収穫して、みんなで美味しいご飯を食べましょう!」
ぼそっと独り言を呟くと、背後から聞き慣れた声の返事が返ってくる。

っ!聞かれてた⁈
驚いて振り返ると、主が満面の笑みで俺を見つめる。

「なんでお前がいんだよ?審神者ってそんなに暇なのかよ?」
「肥前さんの様子を見に来ちゃいました。収穫できそうな野菜を一緒に探しましょう!」
「お前がいるなら俺いらねーだろ。一人でやれよ」
「そんなっ…」
…っ!またその顔かよ…あーイライラする。

「…やればいんだろ。やれば。」
「ふふ。ありがとうございます!」

結局2人で籠いっぱいの野菜を収穫して、台所に行くと炊事担当の燭台切に笑顔で迎えられた。
「たくさん収穫したねー!うん。トマトもナスも美味しそうだ。腕によりをかけて昼餉を作るから待っててね!」
/ 203ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp