第2章 理想のペアとトラハム兄妹
それから、一夜明けて数日後のことです。
サーキットトレーニングの休憩時、丸井は合宿所の自動販売機で飲み物を買っていました。そのとき、聞き覚えのある声がします。
「オッス、丸井くん」
「丸井さん、こんにちは」
「あれ、トラハムくんと、トラハムちゃん」
丸井は二匹のトラ模様のハムスターを見て驚いていました。少年はハムスターたちを自動販売機前で待機させ、木手を呼んで連れて来ます。
「何かと思えば、またあなたたちですか。もう追いかけっこは勘弁ですよぉ」
「そんなこと言うなってキテレツ」
「そうだぞー。せっかくオレたちここに遊びに来たのに」
「あまり時間がないのですが」
「ごめんなさい。お兄ちゃんとショーをやったら、すぐに帰りますから。これはこの前、丸井さんと木手さんにお世話になった感謝の気持ちです」
と、トラハムちゃんはピンクの体操リボンを出し、
「イエイ、イエーイ!」
トラハムくんはマラカスをシャカシャカ振っていました。
トラハムくんとトラハムちゃんは、理想のペアにショーを見せます。
トラハムくんがマラカス振っているリズムに合わせながら、トラハムちゃんがくるくる体操リボンを振って歌とダンスを披露していました。