第17章 一撃必殺
ある日、私は風柱である不死川くんも屋敷へ音柱の宇髄くんと共に向かっていました。
「はあ、なんで俺らがわざわざ行かないといけないのかねぇ。」
「不死川くんとの手合わせがしたいと言ったの、君ですよね。」
私は笑いながら頭を抱えた。
「それで、お館様が何だか乗り気になってしまって…『せっかくだから下の子達も読んで合同稽古をしたらどうだい』とかなんとか言い出すから、私まで駆り出されることになったんですよ。」
「え、真似うま。」
「『おはよう、私のかわいい子供達』」
「煉獄あたり騙せるんじゃねえ?」
「かもですねぇ。」
道中、ふざけ合いながら歩いた。
屋敷の前に到着し、彼を呼んだが返事はなかった。
「いねえのか?」
「庭から気配がします。もう下の隊士たちがいるみたいですね。行ってみましょう。」
私と宇髄くんは勝手とは思いましたが、屋敷の庭へと入って行きました。
そこで見たものは隊士たちをぶっ飛ばし、殴り、蹴り飛ばし、竹刀を打ち付ける不死川くんでした。
宇髄くんは綺麗な顔が青ざめていて…ああ、心中お察しする。
「お恨みします、お館様…」
「…俺らとの合同稽古にした理由がわかったぜ」
私たちはうなずき合い、そのまま走り出した。
地面に倒れている隊士たちを私は宇髄くんに投げた。そして今まさに叩かれようとしている子も。
宇髄くんは隊士たちを抱え込み、少し離れたところに移動する。
「あァ!?」
「こんにちは!そして…」
私は体を空中で横向きに三回転させた。
高速の回し蹴りが不死川くんの後頭部にめり込む。
「頭を冷やしましょうね。」
「…ガッ……ぐ…」
不死川くんは顔から地面に突っ込んだ。
ようやく大人しくなったところで私は立ち上がった。
「みなさーん、大丈夫ですか?怪我してませんか?痛いところがある人は治療してくださいね。」
「ほれほれ、不死川はのびてるから今のうちにな〜」
隊士たちは涙目で『助かった』だの『神様』だのいろんなことを口々に呟いていた。