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紙一重

第3章 最悪な出会い




「今すぐ気持ちよくして…身体が疼くの…」



今度は声マネなんかしていない。色っぽい口調は真白に懇願している様に聞こえてきて、自然と頬が紅潮してくる。気持ちよくして、なんて真白に言うわけないのに、その言葉はなんだか真剣みを帯びていて、あまりの色気に視界も潤んできた。



演技…うまい…



「って言えよ」
「えっ」



どうしよう、見とれてて聞いてなかったなんて言えない!



もうここは適当に聞こえたそれっぽい感じで流そう、と真白は決意し、口を開く。

困り顔のまま、上目遣いで見つめて。
ほんの少し涙をたたえて、
無意識に、男の首に両腕をまわしながら。



____えっと……、?



「気持ちよく、して…?身体が、その、言う事聞かなくて…、おねが、んんっ、ん」



おねがい、と言おうとした途中で、唇を塞がれる。焦点が合わないほど至近距離に男がいて、離れて欲しいのに、手には力が入らず押しのけられない。



「ん…っ、ふ、んん」



舌がはいってくる。
戸惑う真白の舌を誘い出すように絡めとり、逃がさないよう何度も何度も擦りあげる。
深い口付けに段々と呼吸がままならなくなり、頭がぼーっとしてきたあたりで、彼はやっとキスを止める。



「ふぁ…」



お互いの舌が繋がっているみたいに糸を引く。恥ずかしいけど、とてもエロティックで真白は男から目を離せなかった。

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