第13章 囚われたのは(トラファルガー・ロー)
「よぉ、久しぶりだな」
「……」
麦わらの一味をモチーフにした可笑しな船が軍艦に近づいてきたと騒いでいた海兵に混じり、私もその船を甲板で見てた。
そうしてみんなと同じようにその船を眺めていたら、青いドームが軍艦を覆い、一人の男が突如甲板に現れたのだ。
確実に私の方を向いているが知らぬ顔して背を向ける。
海兵がトラファルガーを捉えようと大勢横を通りすぎ、その人達を壁にして隠れるようにその場から離れた。
「逃げられると思うな」
能力か、また青いドームが現れたと思ったら扉の前にいた私はトラファルガーの腕に拘束されていた。
「な、」
驚き声もでない私を他所に、迫りくる海兵達を長い刀で一閃した。
「ぎゃぁーなんだこれっ」
「生きてるっ!?」
切られたのにバラバラになりながらも生きてる海兵達。
血はないものの地獄さながらの光景に、助けを求めようとした声を飲み込んだ。
「クロエ医師を離せ!」
「海賊をとらえろ!」
ドーム外にいた海兵が来てくれるものの、皆同様に切り刻まれ、トラファルガーに近づくことは叶わない。
「用事はこいつだけだ」
邪魔したな、と口角を上げて私を捕まえていない方の手を翳す。
あのドームが大きく広がり、近づいてきていた変な船まで届いたかと思ったら一瞬で視界が変わった。
「お、トラ男戻ってきた!」
「その海兵が目的だったのか?」
「あぁ」
目を見開き固まっている私と、私を囲む手配書で最近イやというほど見る海賊の面々。
「さっさと離れるべよー!」
とさか頭の男が声を張り上げた。