第13章 囚われたのは(トラファルガー・ロー)
運命の番の存在が現れたあの日を境に、私から定期的に来る発情期のフェロモンによる誘惑が消えた。
面倒だったためこれは思わぬ収穫と言えよう。
調べたところによると番相手でなければ惹かれもしないらしい。
そしてご丁寧にも何度も何度も貪られ、出しすぎだと罵りたくなる量の精液が脚を伝い、緊急用の薬を服用した。万が一のために常に持ち歩いていたが、本当に必要になる日がくるとは…。
目覚めた後、あたりを見渡せば、水とどこから取り出したのか自分が所有していた避妊薬が置かれていた。
中途半端のままだった任務も無事終わっており、どうやら体調不良で現場を抜けたこととされていて、残りをトラファルガーが引き継いでいたようだ。
直筆の引き継ぎ書が完璧すぎて腹立たしかった。
あれから海賊の男に連絡など取る筈もなく、平穏無事な日々を過ごしている。
風の噂では麦わらと同盟を組んだとか、七武海のドフラミンゴと衝突したとか聞いたが、緊急でもない限り本部から動かない私は、そうなんだ、くらいにしか思わなかった。
しかしそのニュースを聞いた翌日にはドレスローザに向けて航海する軍艦に乗船していた。
市民にも海兵にも甚大な被害が出たこの事件、医師が足りずに駆り出されたのだ。
そして思いもよらない所で再会をした。