第13章 囚われたのは(トラファルガー・ロー)
海軍本部のあるマリンフォード。
そこに七武海として召集され、医療知識が必要な任務にあたり、軍医と共に行動している。
流石に海軍一を誇る医師軍なだけあって、その技術は確かなもの。
そしてその中でも一際光るものをもつ女医がいた。
「クロエさん、これもいいですか?」
「ん、次やるからそこ置いといて」
海軍本部大佐のクロエ。
別名白衣の魔女。
調剤が得意でよく薬液をかき回している姿からそう言われるらしい。そして海軍お抱えの医師達を束ねる人物。
そう年の変わらない若さだが、その医療技術は素晴らしく、指示も的確だ。
柔軟な考えや発想で難題をクリアしていく様は、同じ医者として感心してしまう程。
この任務中に一度くらい話をしてみたい人物だ。
「トラファルガー、この薬まだ作れるか?」
「…材料が足りねェ」
「それなら薬品庫だ。丁度今クロエさんがいる後ろの扉だよ」
調剤に一旦区切りをつけ、作業を一時中断させて薬品庫へ向かう。
先ほど海兵が指した建物へと向かうが、目印としたクロエはいなかった。
(薄暗ェな…)
光が苦手な薬草など保管してあるため暗い。
見えない程ではないため棚にぶつからないよう注意し、必要なものを探しながら奥に進むともう1枚扉があった。
目的のものがここには無かったからその先かと思い扉を開く。調剤ができる場所なのか開けた部屋に出た。
同じように薄暗いが先ほどよりは明るい。