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ONE PIECE短編集

第9章 緩やかにいま墜ちてゆく(トラファルガー・ロー)


くるりと身体を横向きに下ろされる。
彼も限界が近付いたのか体勢の転換が早い。
片足を担ぎ上げられ、クロスする形で挿入されれば今日一番深く押し込まれる熱に、それだけでイってしまった。
既に絶頂を何回も得ているクロエは思考も蕩けてきて、ただただ彼からの止めどない快楽を享受していた。

「やっ…あぁっ、そ、こっ…」
「ここ、気持ちいいか?」
「ん、…ぁっ」

ぐりぐりと押される熱に身体を捩って耐える。
もっと、もっと、欲しい。

「ひっ…ぁ、…やっ…」
「どうだ?」
「いぃ、からっ…んっ」
「どうしてほしい」
「ふ、…ゃぁっ」

言ってみろよ、と耳許で再度甘く促される。
言うまでやらない、と急に動きを緩め、入口付近でばかり擦る熱にもどかしく腰を揺らした。

「は、ぁ……っ、」
「ほら、」
「ん"っ…」

つんと上を向く胸の頂や赤く腫れた秘芽を弱く刺激すればクロエが切なく鳴く。
全身を赤く染め、回らない頭で考えるのは、どうにかして疼いて仕方ない奥を静めたいということだけ。
しかし辛うじて残る理性が、想いのままを口にすることを阻む。

「言えよ、"気持ちいい"って」
「ひっ…、く…」
「"奥突いてください"って」
「ぅ…」

浅く行き来する熱がくちゃくちゃと音を響かす。
クロエの耳許で囁き、時折べろりと嘗めれば身体が震えていた。

完全に堕ちるまであと少し…。
思考を奪うように耳や胸を、手口をフルに使って快楽の沼へと追い詰めていく。

顔をみれば漆黒の瞳に涙を溜め、瞬きひとつで零れ落ちそうだ。ゆらゆらと揺れる瞳は、クロエの葛藤を表しているかのようだった。

びくびくと痙攣する身体の至る所に吸い付き、痕を残していく。
もう触れてない所などないほどに際どいところまで唇を這わし、皮膚の薄い敏感なところに歯を立てる。
そうすればそろりとクロエの細い指がローの手を掴んだ。

「…ーーー、」
「聞こえねぇ」
「っ、きもち…いい、からっ…」
「…から?」
「おく…ここ、突いて…」

掴まれた手を下腹部の子宮のある位置に導かれる。
快楽に負けたクロエの瞑った目から一筋涙が落ちた。

「及第点だが、悪くねェ」

涙の跡をなぞるように舌を這わせながら、クロエの身体を折り曲げるように脚を上体に倒し、上に覆い被さった。


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