第9章 緩やかにいま墜ちてゆく(トラファルガー・ロー)
「これ以上触れてみろ。権限フルに使って称号を剥奪してインペルダウンに送ってやるからな!!」
流石にローの目的を悟ったのか暴れだす。
だか海楼石で思うように力の入らない身体は大した抵抗にもならず意図も簡単にローに捕らえられる。
「こうでもしなきゃお前に近付けなかったからな。それに俺が海軍に貢献した報酬だ。払うのが当たり前だろ」
「こんなのが報酬になるわけないだろ!」
「ちゃんと海軍への報告のネタは作っておいてやるよ」
するりと服の上から腰を撫で、そのまま脇腹へと滑らす。
柔らかい素材の白シャツの襟をつかみ、丁寧にボタンをはずしていく。
「やめろ」と噛みつかんばかりにクロエが吠えるが、気にすることなく続ける。
元々大きく開いていた襟。見えはしないが男を誘うかのような装いに舌打ちをした。
「この格好で未だにその辺で男を誘ってんのか」
「…っ、なんて言い方っ!そんな暇人じゃない」
「どうだか。俺の時は乗り気で来たじゃねェか」
「あれはっ…」
「イヤなことが重なってたから、か?」
パンツスーツの腹まで開ききったシャツを大きく左右に開く。
中に着ていた透けないキャミソールのインナーを引っ張って首もとに捲り上げれば、胸をホールドする黒の下着が現れた。
「ふっ…いいじゃねェか。好みだ」
白い肌に映える黒。
大きく存在を主張するそれに手を這わし、やわやわと揉む。くにくにと形を変えるがホールド力の強いそれが早々に邪魔になり、ホックをはずした後キャミソール同様首もとにずらした。
「やめっ…」
ふるん、と解放された胸が弾む。ローの目の前で美味しそうに揺れたそれを手に取り、肌に食い込むくらいに軽く掴めばクロエが息を詰める。
かちゃかちゃと手錠を揺らすが取れるはずもなく無駄に終わった。
「なぁ、"あの夜"は最高だったと思わねぇか?お前を見つけたときから欲しくてたまんねェんだ」
片手で固く閉ざされた脚を撫でる。
ピクッと反応するそれに口角を上げながらクロエに顔を近付けた。
「またお前のよがる姿が見てェ」
「ぁっ…」
ペロリと耳朶を嘗め、直接声を吹き込むように耳元で囁く。それでもまだ抵抗する力は弱まらないが、少し赤らんだ肌に満足げに笑みを浮かべた。