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ONE PIECE短編集

第7章 扉は必ずノックしようね(トラファルガー・ロー)



「んっ...ぅ、ろぉっ」

隙間隙間に言葉を放つクロエ。
其れさえももどかしそうに掬い取ろうとして、髪の毛を強く握った。
クロエの眉が少し眉間によった。

首にあった手は緩々と移動していて、第二ボタンまであいたシャツの中へと滑り込む。
器用に片手でボタンを4つ目まで外すと、中途半端にあいた大きめのシャツを下へとずり下げた。
ローの体温の低さに一瞬身を縮こむが、それはお構いなしに指は鎖骨をなぞった。

「なぁ、今日一日休み。明日も午前は特に何もねぇんだ。いいだろ?」
「......」
「無言は肯定」

(こんにゃろぅ。ちょっと位待てよ。アンタ10秒も待ってないじゃん)

人に聞いていたのか、それとも彼の頭の中で完結してしまったのか、人の意見は無視。
どもまでもマイペース(悪く言えば自己中)な彼に天井を仰ぎ見ながらため息を付いた。
黙っているといつの間にか上半身の下着も何処へやら、外部の空気が直に肌に当たる。
少し肌寒いその空気を裂き、手、唇がその肌を覆う。

「ろ......」
「「「キャップテーーン!!クロエー!」」」

クロエの震える吐息のみが響いていた空間に、
今来たら確実にバラされるであろう人物たちの声が乱入する。

「見て下さい珍し......っ」
「まずっ」

バタンッと空いた扉にはペンギンを筆頭に連なってやってきた仲間達。
クロエはチラリとローの顔を伺い見る。

(あぁやばいやばい!!)

目がヤバイ。完全にキレてるよ。
手を翳しながら刀に手をかけてるよ!

「すいませんっしたーー!!」
「まて」

気を楽にしろと残忍な笑顔を浮かべながら能力を発動した。
もはや仲間に向ける顔ではない。

気の毒な仲間達はローにバラバラにされ、これまた能力で甲板に捨てられていた。
彼らのいた場所には代わりに入れ替えられたものがゴロゴロと転がっている。
緊急時以外呼ぶな、と電伝虫で見張りのクルーに伝えるロー。

ローの体で隠れていたとはいえ、はだけたクロエの姿を見られたローの機嫌は最悪。
少し手荒く、そしてしつこく抱かれたのち、ぱっと見ではベッドが見渡せないように、ローは黙々と部屋の模様替えをするのだった。




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