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【鬼滅の刃】雪夜の花【短・中編集】

第7章 その瞳にうつるのは❄︎【時透無一郎】



 「それなりの人の行き来があるのね」

と、鎹烏は饒舌に話し相手をしてくれる。

 『この森に鬼が潜んでいるとしたら…夜通し歩いている人はそう居ないだろうけど、襲われる可能性もあるわね…早めに鬼を捜索、見つけ次第討伐ね!』

 「そうね」

わたしと鎹烏は森の中腹までお話ししつつ、鬼の気配を探った。

❄︎

この辺では片手に収まるであろう栄えている町に来ていた。
最近の目撃情報で、男女の鬼がいるなど言われている。
鬼はつるまないと聞いていたけど、一緒にいるということは兄弟かなにかか…と思考を巡らすも、すぐ頸を斬るし関係ないか、と頭から打ち消す。

この辺は近くの村や町と比べると街灯があちこちにあるし、光る看板もあり、夜でも明るい。
夜なのに、意外と人通り多いのが吃驚だ。

 「…人が多いと鬼が出たとき厄介だ。早く始末しよう」

そう呟くと同時に、人気のあまりない場所を探すことにした。
こう明るく、人通りも多いと鬼は出てこないだろう。
そして、ゆっくり人間を喰べるなら邪魔はされたくないだろう。
そう思うとこの町の裏通りに狙いを絞り、捜索を始める。

さほど時間が経たないうちに、この町の近くに小さな竹林がある付近に鬼の気配を感じ、そこを目指し走り出す。
鬼の気配はひとりのようだが、遠くから獲物になりそうな人間を探っているようだ。
遠目から鬼の姿を見つけると、女の鬼がそこに居た。

 「…女鬼か」

僕は鬼目掛けて走り出すと、女鬼は気配に気づくと竹林の中に入り逃げ出した。

 「鬼狩りっ!!」

 「待ちなよ」

僕は日輪刀を腰の鞘から抜きつつ鬼を追いかける。
女鬼はその問いかけに答えることなく、逃げるだけだった。
僕は女鬼の脚目掛けて日輪刀を投げると、日輪刀は右足に当たり足が斬れた。

 「ぎゃあっ!?」

女鬼は足を斬られた衝撃と痛みで呻き声を上げ、その場に転んだ。

 「待ちなよって言ったよね?鬼さん」

僕は近くの地面に突き刺さった日輪刀を引き抜くと、こちらを見た女鬼に近づく。

 「ひっ…」

女鬼は顔を恐怖に染め、後ずさるも立派に生えた竹が背中に当たり逃げ場がなくなる。

 「ねぇ、君は何人 人を殺して、何人喰べたの?」

僕は日輪刀の先を女鬼に向け、問いかける。
この質問も無意味なのは知っているが、なんとなく聞いてみたくなったのだ。

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