第6章 蛇柱と炎柱に言い寄られてます【小芭内・杏寿郎】
任務の場所に着き、柱が3人もいたため予定よりもだいぶ早く任務が終わった。
『任務も終わったので、わたしはこれで。お疲れさまでした』
わたしはそういうとその場を脱兎の如く逃げ出そうとしたが、そうもいかず煉獄さんと伊黒さんに捕まってしまう。
『え…っと…?まだなにか…?』
「まだあるな。雪柳は逃げるのが上手い」
「あぁ、夜はまだまだこれからだ」
そういう煉獄さんと伊黒さんにわたしは
『えっ…ちょっ、ちょっと怖いんですどっ!?』
と後退りをするも、あっという間に逃げ場がなくなった。
「ここで話すのもいいが…そうだな、小芭内の屋敷にでも行こう!小芭内、どうだ?」
「あぁ、俺の屋敷に行こう」
こういうときはすんなりなぜ決まるんだ…などと言えるはずもなく、わたしは逃げることさえできないまま伊黒さんのお屋敷に向かうことになった。
❄︎
伊黒さんのお屋敷にて
『…煉獄さん、伊黒さん…この状況は…?』
雪柳は逃げるように部屋の隅にいた。
「うん?見たままなのだが?」
『えっと…そうではなく…』
そう、雪柳が疑問に思うのも無理はないだろう。
俺と小芭内は雪柳に迫るように隅に追いやっている状況だからだ。
もっと正確にいうと、布団が敷いたままの部屋で、雪柳を追い詰めている、そんな状況なのだ。
「雪柳、諦めて俺たちに抱かれて欲しい。そして、身体の相性が良い方と結婚を前提に付き合おう」
と小芭内は言う。
たまにはいいことを言うではないか!と内心感心していると、雪柳は顔を赤くさせたり、青くさせたりと忙しく変わる顔色や表情を浮かべていた。
『え、あの…っ!わたし…結婚とか望んでないです…っ!だからっ…!?』
小芭内は雪柳の顎をくいっと持ち上げると、手に持っていた小さな小瓶の中身を雪柳の口の中に流し込んだ。
雪柳は驚いたせいかそのまま、飲み込んだようでけほけほと咳き込んでいる。
『なにを…っ!?』
体の動きをぴたりと止めると、ゆっくり両腕で体を抱き寄せる。
『っ…なにを…はぁ…飲ませたんですか…はぁ…っ』
雪柳の頬は赤く染まり、息が上がっている。