第4章 蛇柱さんはねちっこい【伊黒小芭内】
「椿姫…」
椿姫の潤んだ瞳、紅潮した頬、ほんの少し開いた小さな唇、歳のわりに発育の良い胸元…
いますぐにでも抱き潰したい一心だが、深呼吸をして一度その欲を抑える。
「…湯浴みが済んだら…抱いてもいいか…?」
そういうと椿姫は俺の着物の裾をぎゅっと握り、小さくこくりと頷く。
「そうか…椿姫、先に湯浴みを済ませるといい」
椿姫の背を軽く押すように促す。
『え…でも…小芭内さんからどうぞ?』
椿姫は躊躇うように俺に進めるが、俺は首を横に振り
「いや、椿姫から済ませるといい」
再度同じことをいうと椿姫は頷き、お先に失礼しますね、と言い浴室に向かった。
その様子を見届けると、俺は深く深くため息をついた。
抑え込むのがやっとだ…などと思いつつ、お互い明日は休日。
この欲がなくなるで抱き潰してしまう可能性があるが、まぁ…なるようになるか、とほぼ諦めモード。
椿姫が戻ってくるまでに布団の準備や飲み水の準備などを済ませ、夜風に当たろうと廊下に出て窓を開ける。
火照った身体に心地の良い風を感じつつ、目を瞑る。
瞑想していると、湯浴みが済んだ椿姫の足音が聞こえ、ほどなくして姿を見せた。
『あ、小芭内さん。お先に頂きました。どうぞ』
と髪の毛が濡れたままの椿姫が俺の顔を覗くように微笑む。
「あぁ、髪の毛はきちんと乾かすように。俺も湯浴みに行くとしよう」
俺は立ち上がると、椿姫の頭をぽんぽんと撫でた。
『はい、お部屋でお待ちしてますね』
湯上がりのためか、椿姫の頬は赤く染まっていた。
❄︎