第15章 しあわせのクローバー【嘴平伊之助】
伊之助くんはあれから何度も欲を吐き出した。
その間にもわたしは何度イったか分からないほどの絶頂を迎えていた。
『は、む…り…っいっちゃ、っ〜〜〜〜〜♡♡♡』
目の前が白くスパークし、背中が弓なりに反り身体ががぐがくと震える。
「またイったのか」
伊之助くんがなにを言ったのかを理解できないまま、伊之助くんはピストンを早める。
ぐちっ、ぐちゃっと水音が大きくなるとともに、肌を打ち付ける音も大きくなる。
『あぁっ♡いっ、たばっかぁっ…♡』
わたしは押し寄せる大きな絶頂の波を遠ざけようと、もがくが伊之助くんはそれを許さないとばかりに腰を強く引き寄せ、わたしに覆い被さるように体重をかける。
「イキ狂うといい、なぁ椿姫?」
伊之助くんは耳元でそう囁き、そのまま首筋をかぷりと噛み付く。
『ひ、ぁっ!?』
「お、締まった」
わたしはビックリして身体をびくつかせると同時に、伊之助くんは首筋から口を離しそう呟く。
「椿姫はキスマーク付けっときもそうだけど、こういうの好きだよな」
伊之助くんはピストンを繰り返しながらそう言った。
『あっ♡は、ぁっ…こういうの、って…あんっ♡ど、れっ♡あっ…』
わたしは息も絶え絶えに、伊之助くんに与えられる快感に耐えながらそう聞くと、伊之助くんはニヤリと笑ってから
「コレ、だ」
わたしの肩に先ほどよりも強く噛み付いた。
『いっ!?』
わたしは身体をびくんっと震わせると同時に、伊之助くんの背中に爪を立てていた。
「ほら、さっきよりココぎゅうぎゅうに締めてんぞ」
伊之助くんは身体を少し起こして、わたしの下腹部…ちょうど子宮のある部分の少し下をトントンとする。
確かにキスマークをつけられているときのぴりっとした痛みや、肌に歯を立てる鈍い痛みに身体が反応し、下腹部がじゅくじゅくと疼く。
それを指摘されたわたしは首を横に振りながら、否定の言葉を呟いた。
『んっ…ち、がっ…』
その言葉を紡ぐ間にも身体はびくびくと反応し、そして大きく聞こえる水音を聞こえないふりをした。
「ぐじゅぐじゅ言ってんのに否定すんのか…まだ余裕があんだな」
伊之助くんはぺろりと唇を舐めると、ギラギラと欲を孕ませた瞳と目が合い、わたしはこれからの激しさを想像して、諦めると同時にその波に深く深く飲まれていった。
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