第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
可愛い息子たちを連れて、わたしは自宅に帰ってきた。
当初の予定では生まれてから1年、祖父母の元にいる予定だったのだが、それを半年以上も繰り上げて帰ってきたのだ。
『はるくーん、すいくーん。ここがあなたたちのお家だよ』
わたしは陽輝を抱っこ帯で背中に、陽翠を抱っこをして家に入る。
これまでに必要な物はおじいちゃんとおばあちゃんと買い物に出掛けて、購入済みだ。
それはあとから来るおじいちゃんとおばあちゃんが設置をしてくれるらしい。
そして今日は我妻家と時透家、雪柳家が集まり、お披露目会みたいなものをすることになっている。
写真では陽輝や陽翠を見ているが、まだ実際には会ったことがない。
それに入籍してから久しぶりに善逸にも会うのだ。
ほんの少し、ドキドキしている。
夫婦になってから何度か善逸と会い、陽輝や陽翠とも会いお世話をしてくれてとても助かった。
それに比べて無一郎からの連絡には既読をつけても、返事を返すことはなく、電話にも出ていない。
必要なことは全てメッセージで最低限なやりとりだけをした。
無一郎はそれにも怒っているメッセージを送ってくるけど、わたしは善逸と入籍して、雪柳から我妻になった。
例え幼なじみでも、線引きは大切だと思っている。
…これでよかったんだ。
わたしは、そう思っている。
後悔はしていないし、いまさらどうすることもできない。
この気持ちは…わたしが善逸より無一郎が好きだということは胸の奥に仕舞って、墓まで持っていく覚悟だ。
『よし。少し掃除しなきゃなぁー』
わたしは子どもたちを寝かせて窓を開けた。
夏から秋に移ろいゆく季節になった。
可愛い息子たちはハーフバースデーを目前に控えていた。
❄︎