第14章 きみは手のひらの上 罪と罰❄︎【善逸・無一郎】
メッセージを告げる着信がなり、携帯を開くと椿姫からで、メッセージ画面を開き内容を見ると、1枚の写真が送られて来ていた。
「え…かわいい…」
俺の口から溢れたのはたったそれだけだった。
頭の色が違う双子は2人並んで寝ていて、同じ表情で同じ姿勢で。
目を閉じているため、どんな瞳の色なのかは分からないがそれだけでも俺と椿姫の遺伝を感じられた。
一緒に送られて来た文を読むと、「まだ名前が決まってません。数日後、一緒に退院します。それまでに名前を決めないと。黒髪の子はね、無一郎と同じ瞳の男の子。金髪の子はわたしと同じ瞳の色なの」と書かれていた。
俺はそれに浮かれるように、ドタドタと部屋を出てリビングに向かい、母親に写真を見せた。
「あら、まぁ。可愛らしい赤ちゃんね」
「可愛いよね♡黒髪の子は無一郎の目の色と同じなんだって。早く会いたいなぁ〜♡」
「え…」
母親は驚いた表情を浮かべた。
「そう、なの…どちらの子も孕っていたのね…」
母親は悲しそうな表情を浮かべると、
「善逸、大切な話があるの。聞いてくれる?」
そう言うと真剣な顔で母親がそう言った。
俺は頷き、ダイニングテーブルに向かい合わせに座る。
「これから椿姫ちゃんは、非難されて過ごすことになると思うの。それは、貴方と無一郎くんの子どもを同時に妊娠して、出産したから。産まれた子どもに罪はないけれど、大きくなったらどうなると思う?」
母親は真剣な顔でそう言った。
俺は大きくなった子どもを想像し、ひとつの結論に至った。
「容姿が両親に似てないって虐められる…」
「そう。ひとりは貴方と椿姫ちゃんに似ている。もうひとりの子は無一郎くんと椿姫ちゃんに似ている。もうどうすることもできないけれど、生まれてきた子どもに罪はないの。だけどね、貴方たちはその罪を背負って生きていくのよ」
母親はそう言った。
俺はその言葉を噛み締めるように、その罪に目を背けることなく子どもを育てようと心に誓った。
「入籍のことなんだけどね、貴方が18歳になったらすぐに入れようって話になったの」
その他に必要な会話をして、俺は椿姫に近いうちに電話をしたいとメッセージを送った。
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